「準硬プレイバック企画」熱戦を繰り広げたALL東北に迫る(前編)

新型コロナウイルス の影響で春季リーグ戦が中止になり、現在も試合ができない状況が続いている。そんな中でも多くの人に、準硬式野球の魅力を知ってもらうための企画。

題して「準硬プレイバック企画」。過去の大会を振り返り、選手、マネージャー、監督の体験談を元に準硬式野球の魅力に迫っていく。

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今回は、毎年10月に行われる、全日本大学9ブロック対抗準硬式野球選手権大会(通称:9ブロック大会)を振り返っていく。9ブロック大会とは、全北海道選抜、全東北選抜、全関東選抜、全東海選抜、全北信越選抜、全関西選抜、全九州選抜の全9チームの選抜チームが日本一をかけて戦う大会である。大学硬式、大学軟式にはない、魅力的な大会の一つだ。全東北選抜の過去の成績は、優勝2回、準優勝2回。今年は去年選出された選手も多く、3度目の優勝へ期待が高まっていた。

その9ブロック大会で東北を代表して戦った全東北選抜(通称:ALL東北)の選手達に取材し、準硬式野球に対する思いを伺った。

 

2019年 全東北選抜メンバー

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※学年は2019年当時

第一戦

 全中国選抜 300 000 000 |3

 全東北選抜 501 000 00×  |12

(中国)藤田・丸澤・竹之内・中谷・玉尾・大野ー市場・平木・牧田

(東北)八鍬・阿部(新)・山口・今ー斎藤

勝利投手 阿部(新) 

敗戦投手 藤田

二塁打 山羽(中国)

    及川(祐)・守屋 (東北)

第一戦は全中国選抜。初回に3点の先制を許すも、その裏に相手の失策なども絡み5点を奪い逆転に成功した。その後も4回に大量得点を奪い、試合を決定付けた。2番手として登板した阿部新弥(登米→仙台大)は4回2/3を投げ、無失点に抑え好リリーフを果たした。打撃陣は、守屋颯真(浜松商業→富士大)が3打数3安打3打点と大暴れ。投手陣の好投と打撃陣の大量の援護が噛み合ったゲームになった。

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好リリーフした仙台大・阿部新弥

 第二戦

全関東選抜 000 000 001  |1

全東北選抜 000 000 000 |0

(関東)林部・飯島・町田・高田・小田ー落合・吉田

(東北)佐竹ー斎藤

勝利投手 小田

敗戦投手 佐竹

二塁打 野呂(関東)

第二戦は全関東選抜。勝てば決勝トーナメント選出が決定する大一番。ALL東北の先発投手は佐竹光人(泉松陵→東北学院大)。187センチの長身からサイドスローで繰り出す140キロ近くの直球と大きく横に曲がるスライダーで、関東打線相手に凡打の山を築いた。両チーム無得点のまま迎えた最終回。全関東は2番岡本の犠飛により、1点を先制し、これが決勝点となった。先発した佐竹は9回1失点と好投を見せたが、味方の援護に恵まれず、決勝トーナメン進出はならなかった。

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9回1失点の好投を見せた東北学院大・佐竹光人

存在感を見せた下級生投手陣

今大会では3人の下級生投手陣が存在感を見せた。第一戦でリリーフした技巧派左腕の山口陽平(県立川越→東北大)、同じく第一戦でリリーフしたMAX140キロの直球とフォークを武器にする本格派右腕、今広行(青森山田→青森大)。第二戦で好投したサイドハンドから140キロ前後のストレートと横に大きく曲がるスライダーが持ち味の佐竹光人(泉松陵→東北学院大)。3人は当時1年生ながら代表に選出され、申し分ない結果を残し、鮮烈な全国デビューを飾った。

 昨年春季リーグでは新人賞も獲得した佐竹は、1年目から大車輪の働きを見せた。高校時代は全く勝てず悔しさばかりが残ったと振り返る。その悔しさを糧に準硬式という環境で芽を出した。8月に行われた全日本選手権大会でも先発した佐竹。2度の全国大会のマウンドに上がるも未だ白星は0。この経験を生かし、全国の舞台で大輪の花を咲かせたいところだ。

 

「普段対戦することのない地方の選手と対戦することができ今後の糧になった」と語る山口。成長のきっかっけを掴み、新チームのエースとして東北地区の王者へ舵を切る。

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1回を無失点に抑えた山口陽平(県立川越→東北大)

青森山田時代はエースとして活躍した今(こん)。活躍の場を準硬式に移し、1年目からフル回転した。「関東選抜と対戦し、レベルの高さを痛感した。この経験を生かし次は日本一に貢献したい」と高校時代果たせなかった全国制覇を準硬式で目指すと意気込んだ。

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3回を投げ2つの三振を奪った今広行(青森山田→青森大)

「ALL東北の経験をチームに還元したい」と口を揃えた3人の投手。今シーズンもやる気は十分だ。主体性が求められる準硬式野球の環境。彼らのやる気がこの環境とマッチし、可能性を最大限に引き出していく。

彼らは、日常生活において野球が一番に来ないかもしれない。高校球児のようにひたむきではないかもしれない。厳しい環境から逃げたと思われるかもしれない。

だが、そうでありながらも、準硬式という環境を選び、白球を追いかける姿に、逃げの姿勢は全く感じない。「まだやれる」そんな心の奥底にある野心と可能性を信じ、挑戦し続ける。

全国の舞台を経験し、更なる活躍を見せてくれるであろう3人の投手。

「俺をみろ」と言わんばかりの熱い投球から、益々目が離せない。

 

(文:鈴木隼人)